作成:カセイジン
横浜にあった劇場(芝居小屋)は、ほとんどが娯楽の街、伊勢佐木町近辺に集中していました。その昔は、人気役者の名前を記した幟旗が林立し、呼び込みの声が響き、大変な活況を呈していたのですが、関東大震災や大戦下の空襲で多くが焼失し、廃座となってしまいました。その後は東宝、松竹、大映や洋画の映画館になったものもありましたが、その映画館も今では殆どなくなっています。その他の懐かしい建物の写真もご紹介します。
横浜にあった劇場については兄姉サイト「横浜歴史さろん」にて、以下のカセイジンさんによるオリジナルの記事が掲載されています。
劇場小史 in Yokohama(中区、1859年~、横浜の劇場)
①馬車道通りにあった富竹亭(寄席)
②新富亭(松ヶ枝町)(寄席)伊勢佐木町の1,2丁目辺り
③伊勢佐木町警察(吉田橋脇)
④松屋デパート(吉田橋脇)
⑤かまぼこ兵舎を利用した教会(有隣堂の近く)
⑥シュウマイの博雅(有隣堂の隣にあった)
⑦喜楽座(賑町)現在の伊勢佐木町3丁目付近
⑧横浜座(曙町)
⑨羽衣座(羽衣町)
羽衣座(中区羽衣町)は下田座が、1883(明治16)年、住吉町(馬車道通り)の寄席佐野松を吸収し、羽衣町に移転し、羽衣座となった。厳島神社(弁天社)の隣にあったという。
⑩賑座(賑町)
賑座(中区伊勢佐木町、当時の町名は賑町)は横浜三座に次ぐ存在だったのが、1860(明治13)年開場の賑座(賑町)で、作家の吉川英治も通ったという。同座は、ハンケチ工場の女工が多数通ったため、通称、ハンケチ芝居とも言われたという。賑座の名前は、2002(平成14)年開場の横浜にぎわい座(中区野毛町)に受け継がれた。
⑪横浜劇場(花咲町)
⑫横浜歌舞伎座(末吉町)
横浜歌舞伎座は(中区末吉町)1932(昭和7)年、横浜歌舞伎座が開場するが、時代は、芝居から映画へと移っていった。しかし、大歌舞伎では、初・二世左団次や、十五世羽左衛門と六代目梅幸の黄金コンビ、五・六世菊五郎、ハマの団十郎と言われた荒ニ郎(初世)、大阪喜劇の曽我廼家五郎十郎、東京喜劇の古川ロッパ、女剣劇の大江美智子、新国劇の沢田正二郎、新派、喜多村緑郎、花柳章太郎、伊井容峰、壮士劇、川上音二郎一座といったそうそうたるメンバーが出ている。演目も忠臣蔵、先代萩、鏡山といった御馴染のものが上演されている。
⑬横浜館 勧工場(かんこうば)と呼ばれ、いろいろなお店が入った現在のショッピングモールのようなところだった。
⑭ヨコハマクラブ(現在の不二家)
私が生まれる前にあった劇場ばかりですが、なんだかとっても懐かしく感じられて、呼び込みの声が今にも聞こえてくるような気がするのです。